うつ病でも幸せ,ほほえみ・笑顔の力

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うつ病でも幸せ,ほほえみ・笑顔の力
 


ほほえみ・笑顔はほんの一瞬でも、一生、人の記憶に残ることがあります。

自分と他の人を幸福にしてくれます。

お金も財産もなくても、人に与えられる最高の贈り物です。

ほほえみ・笑顔は当人や見る人を元気づけます。

ほほえみ・笑いは体の健康にも良い

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「笑いと健康」という自助クリニックを運営する言語療法士のミルタ・マノとルベン・デラウロによれば,笑うしぐさをするだけでも,脳下垂体に作用する電気的刺激が生じるということです。

刺激を受けると,脳下垂体はエンドルフィン,すなわち良い気分にさせる脳内化学物質を分泌します。

ほほえむとよい,もう一つの重要な理由は,それが他の人に好ましい影響を及ぼすことにあります。

あいさつするにせよ,いたわるにせよ,励ますにせよ,偽りのない笑顔を示せば,口に出さなくても自分の気持ちを伝えることができます。

子どもの愛らしい笑顔の映った写真を見るだけで口元にほほえみが浮かぶこともあります。

温かなほほえみを示されると,緊張がほぐれ,失意や試みとなる状況に対処しやすくなります。

ある有名な本は

『あなたの手に善を行なう力があるのに,それを受けるべき人から控えてはならない』と勧めています。

そうです,ほほえむことで自分と他の人を益することができるのです。

この極めて価値ある贈り物を皆に与える,つまり温かなほほえみを浮かべるようにするのは最高の善行と言えます。

笑顔そのものにパワーがある

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「温かさを感じさせる視覚要素」の中で、最優先すべきなのは「顔の表情」です。

そして「温かさ」を生み出す方法として「笑顔」に勝るものはありません。

笑顔は人類共通の行動に深く根差した、究極の非言語コミュニケーション手段です。

どの国の赤ん坊も、笑顔を通じて母親との絆を深めていきます。

言葉が全く通じなくても、相手の笑顔だけは簡単に読み取ることができます。

笑顔に関する文化規範はさまざまに異なるかもしれませんが、世界共通の表情であることは確かです。

人の笑顔は「幸福」「魅力」「社交性」「成功」といったさまざまなプラス要素を物語っています。

また、笑顔は「ハロー効果」をもたらします。

つまり、ほほえみを浮かべている人は有能で好感のもてる人物だと判断されやすいのです。

教師は自分に向かってほほえみかけている生徒を指名する傾向があり、レストランのウェイトレスやバーテンダーもこのことを体感しているに違いありません。

さらに、笑顔には伝染力があります。

誰かにほほえみかけられたとき、私たちは自分が笑顔を浮かべているときの感覚を思い出し、自然にほほえみ返そうとします。

こうした相互作用は全く無意識のうちに生じています。

つまり、私たちは、ほほえみかけてくる人物に対して好感を抱く傾向があるのです。

「君がほほえめれば、世界中が一緒にほほえむ」ルイ・アームストロングの歌に出てくるこの言葉は、単なる決まり文句ではありません。

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実際に、私たちの脳は瞬時に他人の笑顔を察知し、幸せな気分をつくり出しているのです。

もちろん、他人の笑顔を感じ取ることと、自分自身が笑顔を浮かべることは別物です。

笑うことは私たちの気分を高め、精神活動に好影響を及ぼします。

心理学者のダニエル・カーネマンによれば、歯の間にペンをくわえ、強制的に笑顔に似た表情をつくった場合でも、実際に笑ったときと同様の気分を生み出すことができるそうです。

「ハイパワーな」姿勢を取ることで実際に自信が湧いてくるように、明るい表情を意識的につくれば、自ずと前向きな気分になれるはずです。

ほほえみを与え続けたマザー・テレサ

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 マザー・テレサがある日、カルカッタの町を歩いていると、向こうから険しい表情をした男性がやって来ました。

彼はいつもマザーの活動を快く思っておらず、よく周りに悪口を言いふらしている人でした。

マザーと一緒に歩いていたシスターは、すれ違う時、いったいどうなるかとハラハラしていました。

するとマザーは心からの笑顔を浮かべて「こんにちは」と挨拶したそうです。

驚いたシスターが「マザー、今の人、誰だかわかっているのですか?

「いつも私たちの悪口ばかり言う人ですよ」と言うと、マザーは「ええ、もちろんわかっていますよ。私は今、あの人の中におられるイエスにほほえみをかけたのです」と答えたというのです。

 マザー・テレサはどんな人にも心の中に必ずイエスがいると確信していました。

それゆえに、どんな人に対しても優しさと思いやりを忘れなかったのです。

この確信こそが彼女の言動の力となり、誰もがマザー・テレサを尊敬するようになったのだと思います。

 マザー・テレサは言います。

「もし何もしてあげられることがないなら、ほほえみかけなさい。たった一つのほほえみにどれだけ大きな力があるか、あなたたちはまだ知らないのです」。

ほほえみの中にはメッセージがあります。

それは、「自分なんかいてもいなくても同じ。いないほうがいいのかもしれない」と思っている人への、「私はあなたを1人の人間、かけがえのない1人と見ていますよ」という好意なのです。

それは、ほほえみを受けた人に、生きる自信を与えます。


このように、ほほえみには、私たちの心の中にある目には見えない愛を、目に見える形にして相手に伝えるコミュニケーションの役割があるといえます。


マザー・テレサは、共に働くシスターたちが町へ出て貧しい人たちに暖かいスープを配り終えて帰ってくると、まず「ご苦労さま」とねぎらってから、「ところで、その人びとにほほえみかけること、ちょっとしたやさしい言葉をかけることも忘れなかったでしょうね」と尋ねるのが常だったといいます。

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この問いが示すように、マザー・テレサの仕事は単なる福祉事業ではなく、愛の行為でなければならないのでした。

シスターたちの配るスープはお役所が福祉の一端として配るスープと、その中身は同じだったかもしれません。

しかし、受けとった人は、そのスープによって体と同時に心も温められるのです。

ほほえみを添える時、受けとる人はもはや憐れみの対象ではなくなって、ほほえまれるに価する、尊厳を備えた1人の人間になるのです。

医療現場で笑いが治療法となっている

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欧米では80年代ごろから笑いが治療法の一つとして認識されるようになりました。

道化師と化した人達によって病院や老人ホーム、小児病棟や福祉施設などで、笑いや楽しい時間を共有し、心や身体の病気に対し癒しの効果をあげています

膠原病患者に対し笑いを用いることで治療効果が上がったといわれています。

笑いが、患者のNaturat  killer cell (NK細胞)を活性化させることが、明らかになっています。

その他、疲労の軽減、血液をサラサラにする、脳波の α β波が共に増加する、交感神経系と副交感神経系(幸福ホルモン・セロトニン)が両方とも程よく活性化するといわれています。

自らがほほえむという行為や、微笑みかけられた場合、前頭前野の脳血流量は、増加するということが分かっています。

うつ病は、脳の血流が少なく、酸素不足でも起こる、と言われています。

ほほえむことによって、うつ病治療に絶大な効果がもたらされることでしょう。

米国ハーバード大学の研究者たちは,年配の患者のグループが看護師などの顔の表情に対してどんな反応をするか,研究しました。

それによると,介護者の顔の表情が「いつもよりも温かく,優しく,思いやりがあって,共感できるものであるなら」,患者は一層満足し,心身共に元気になります。

一方,介護者が患者に何も話しかけないでいると,その逆になります。

まとめ

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ほほえむなら,自分のためにもなります。

自信や幸福感が増し,ストレスを感じることが減ります。

反対に、しかめっ面をすると,ストレスが増えます。

ほほえむことを忘れた人たちに、ほほえみを惜しまずに与えましょう。

「あなたは1人ぼっちでない」というメッセージを発信し続けましょう。

ほほえみには、マジックのような力があります。

与えられた人を豊かにしながら、与える人は何も失わない 。

いえ、失わないどころか、与える人も、自信、幸福感、健康を得て自分の人生も豊かにできるのです。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

皆様の生活が幸せであふれたものでありますよう、お祈りしております。